マガキ

水揚げされたカキは、すぐに「万石浦鮮かき工場」などの沿岸の加工場に運ばれ、殻むきを行います。手作業でひとつずつ殻から身を外し。丁寧に洗浄してから全国へ。安全性と鮮度に配慮し、出荷しています。

三陸で育つカキは甘くて、味が濃厚

カキの生産の盛んな石巻市にある万石浦。東日本大震災で甚大な被害を受けたエリアですか、平成25年9月には「万石浦鮮かき工場」が完成し、復興に向けて歩みを進めています。「これまでは震災前の状況に戻そうとただ必死でしたが、今は、“消費者の皆さんに届けたい”という想いが、我々の働く意欲になっています」。そう話すのは、宮城県漁業協同組合かき部会長の高橋文生さん。この石巻をはじめ、松島、塩竃、気仙沼など、豊穣な三陸沖に面した宮城の海には、カキの栄養源が豊富。山からの豊かな水にも育まれ、身のしまった味の濃いカキに成長します。

こうしたカキの養殖に加え、石巻は種ガキの産地としても貢献。「北海道や広島、岡山など全国でカキが養殖されていますが、その種ガキは宮城県産が多いんです」と高橋さん。「震災時は種ガキも被害を受けましたが、残った種ガキのおかげで、いち早く養殖を再開できました。今は生産量も戻ってきていますので、ぜひ多くの方に食べていただきたいですね」。

カキの出荷は例年10~5月で、特に寒さの厳しい12~2月に旬を迎えます。その豊かな滋味を堪能するなら、むきたてを生でいただくのが正攻法。「地元の漁師の定番といえば、酢と醤油たけで食べる生ガキ。素材のよさがよくわかります」。

リアス式海岸が続く三陸で育つマガキは、小ぶりで豊潤な味わいが特長。ハリのある身を口に含めば、鮮烈な磯の香りと濃厚な旨みが舌を包みます。

【情報提供】食材王国みやぎ http://foodkingdom-miyagi.jp