私の風景観 千住 明

風景と時間

 音楽家は時間をつくる職人。音楽家として、思い浮かぶものとか、具体的なビジュアルイメージが、ものをつくる時に助けてくれることがある。むかし通った道、よく遊んだ街、キャンプをした島、自分の中に焼き付いた風景。

 風景は時代と共に変わるものだが、昔その風景を共にした人と、それを思い出し、話をする。失われた風景を復元するとき、その復元したものよりも、もっと大きな心の動き・交流が、もうひとつの「会話」としてそこにある。

千住 明(せんじゅ あきら)

作曲家

1960年東京生まれ。
東京藝術大学音楽部作曲科卒業。同大学院音楽研究科修士課程作曲専攻修了。
藝大在学中からその活動は、ポップスから純音楽まで多岐にわたり、作曲家・編曲家・音楽プロデューサーとしてグローバルに活躍。ソロ、メイン、プロデュースアルバムは数多い。
代表作にピアノ協奏曲「宿命」(ドラマ「砂の器」劇中テーマ曲)、「四季」、「日本交響詩」、オペラ「万葉集」「滝の白糸」など。
第20回、第22回、第27回日本アカデミー賞優秀音楽賞など受賞歴多数。
(2015年6月現在)
ホームページ https://www.akirasenju.com