国家公務員宿舎東雲住宅

5月7日(木) 国家公務員宿舎東雲住宅

「8ミリフィルムの上映会」
 一部 「昔を語る会」(20世紀アーカイブ仙台:坂本英紀)
 二部 「よみがえる浪江町」(監督:三好大輔) 上映

ゴールデンウィーク明けの5月7日、快晴の江東区東雲。
ここに福島県の浪江町民をはじめ南相馬、飯館村、小高の方々が、震災後避難してきて暮らしている高層マンションがあります。
その1Fにある交流サロンで、昔を語る会とよみがえる浪江町の上映を行いました。
会場となった集会室には30名ほどの住民をはじめ、このサロンに出入りしている江東区の職員やボランティアの方々がいらっしゃいました。
社会連携センターの伊東順二教授からの挨拶の後、NPO法人20世紀アーカイブ仙台の坂本さんによる「昔を語る会」が行われました。
いつもに比べ時間も短縮しての開催となりましたが、参加した方々は終始笑顔が絶えず、昔話に花を咲かせました。
飛び出して来た古道具に立ち上がって使い方を説明をされた方もいらっしゃいました。
持ち込んだ物の中には戦前生まれの方でも答えのわからなかった
「サイカチ」という石鹸のかわりに使われていたマメ科の実などもありました。
浪江町を中心とした映像を観はじめると、
「あれは○○さんや」
「これは△△の路地じゃない?」
「あ、いとこの□□さんだ」
とあちこちから声が上がります。

0U0C8351会場に居る方々の気持ちがほぐれていく様子が手に取るようにわかりました。
目の前に現れたかつて暮らした町の見慣れた風景。
その断片から、驚きや懐かしさを伴って自信の回想に繋がっていく時間となりました。
二部は20世紀アーカイブ仙台が収集した昭和30年代から40年代に
浪江町で記録された8ミリフィルムを活用して制作された映画「よみがえる浪江町」の上映。
この作品は、かつての浪江町の暮らしを後世に伝えていくために制作された作品です。
収集、復元された映像に加え、そこに生活していた方々の話も収録。
制作にあたっては、上映会場となった東雲住宅の方々に話を聞かせて頂きました。
上映がはじまり、現在の浪江町の様子が映し出されます。
震災後、手つかずのまま放置された見慣れた風景。
一時帰宅は可能になったものの、そこに暮らすことは叶いません。
かつての農家の風景、結婚式、子供の成長記録、祭り、
風景の断片から失われていた記憶が蘇ります。
「地域の顔の見える結びつきの中で生きてきた」
「細かい生活だった。贅沢は無し。」
「農作業は生活の一部じゃなくて生活だった」
「同じ村で暮らしていくために、お互いに助け合っていた」
そんな一言一言が心に響きます。

「後ろを振り向かず新しい浪江をつくっていく」
そんな決意をもって震災後と向き合っている町民こそが、復興への道筋をつけていくのだと感じます。
上映終了後、参加して頂いた方々とお茶をしながら交流の時間。
今日の会について、とても楽しませて頂いた、と喜んで頂いた一方で、
「ここはいくつもの町からやって来た人たちが暮らしている。
 今回、浪江を中心とした上映になっていたけれど、他の地域の映像も観れたらよかった」
との言葉を頂きました。
一人一人の声に耳を傾け、その声に応えていきたい。
このプロジェクトの課題として受け止めていけたらと思います。
また今回、上映にあたって協力頂いた東雲の会の高橋さま、三澤さまをはじめ、参加して頂いた皆さまに深く感謝しております。
ありがとうございました。

三好大輔(映像作家/東京藝術大学デザイン科講師)

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