「海──東北への想い」復興10年祈念Webコンサート

2021年3月、東京藝術大学COI拠点 文化外交・アートビジネスグループにより、「海──東北への想い」復興10年祈念Webコンサートが開催されました。東京藝術大学COI拠点が展開してきた「風景と心の修景」プロジェクトから生まれた映像作品、音楽作品を、震災から10年を迎える節目の年に再上演し、災害や生活の記憶をめぐって芸術にできることを問い直し、いまだ途上にある震災からの復興を、作品を通じて考えていくという取り組みです。

2013年から、東京藝術大学COI拠点では、岩手・宮城・福島三県の、震災以前に撮影された8ミリ、VHSなどの映像フィルムを蒐集、アーカイヴ化する「風景と心の修景」プロジェクトを展開してまいりました。このプロジェクトでは、風景を一変させてしまうほどの大災害によって、人々から断たれてしまった過去との風景や記憶のつながりを回復し、未来の世代へ伝えることを目指し、当時の学生たちが作品制作に取り組んでいます。実際に学生たちは現地取材に同行し、現地に暮らす方々との対話や提供された映像や写真、また復興途上の街の風景に触れながら、映像作品やスケッチ、音楽作品の制作を行いました。

このWebコンサートでは、2つの映像作品「よみがえる大船渡」「よみがえる浪江町」と、故・松下功教授が作曲された「海へ、そして夢に」などの作品を再演しました。

東京藝術大学COI拠点は、今後もアートの視点から復興事業に貢献していけるよう努めてまいりたいと考えています。