私の風景観 大西一平

生きてる感じ、しびれる感じ

 国立競技場のスタンドはゆったりとした角度でできているように見えますが、グラウンドに出てきた選手にとっては、一番上の観客がバラバラっと崩れて落ちてくるような、切りたった競技場に見えるのです。満員の観客席、たくさんの人のエネルギーがグラウンドを包んでいて、頭のてっぺんから競技場がひっくり返って落ちてくるような強烈な印象。そういう中で見られる風景や、言葉にできない感動が与えてくれた「生きている感じ、しびれる感じ」は今も僕の中にあり、ラグビーを続けること、健康のための活動をしたりすることに繋がっているのだと思います。

大西一平(おおにし かずひら)

プロラグビーコーチ、一般社団法人 OVAL HEART JAPAN 代表理事

1964年5月26日生まれ。大阪府大阪市出身、大工大高校を経てニュージーランドへ留学、翌年明治大学に入学し主将を務める。1988年、㈱神戸製鋼入社。同社ラグビー部で7年連続日本一に輝く。V4~V6間主将を務めV7達成後現役を引退。1997年、日本人初のプロラグビーコーチとなる。2012年、一般社団法人OVAL HEART JAPAN設立、代表就任。東日本大震災の復興に努め現在は健康支援プログラム「歩く人。」及びインストラクター制度を全国に展開中。