宮城県志津川湾の水温がギンザケの成長に適していることから、養殖業が盛んに。ふ化した稚魚は山間部の清らかな淡水で飼育されたのち、海の生け簀に移されます。
養殖技術の進歩で高品質化を実現
宮城県の志津川湾は、ギンザケ養殖の発祥地。昭和51年に日本で初めて養殖に成功し、現在まで生産量日本一の座を守り続けています。
「養殖ギンザケの大きな魅力は、生でも安心して食べられることですね」。そう教えてくれたのは、ギンサケ養殖に携われる末永陽市さん。「天然のサケは、生食には適しませんが、養殖だと刺身でも食べられることが大きな特長です」。生の恵みを堪能できるのは、ギンザケの旬である4月から7月まで。またキンザケは脂のりがよく、身質もやわらかいので、焼き物や煮物にも好適です。
さらに近年では、加工原料としても重宝されています。宮城県沿岸部でも、加工品の生産・開発に力が注がれています。「養殖のギンザケは生産量も価格も毎年安定しているので、加工商材としてもおすすめですよ。ギンザケに写えるエサの調合などを変えれば、ニーズに応じた身質や大きさにコントロールすることも可能です」と末永さん。養殖技術の進歩と漁業関係者の情熱により、安定供給のみならず、高品質化も実現。加工原料としての可能性や展望も、ますます広がっています。
ほどよく脂がもっており、刺身やカルパッチョなど生で食べるのがおすすめです。もちろん焼いても、お鍋でもおいしく、幅広い料理に活用できます。
キンザケのエサは、魚粉やミネラル類などが含まれた栄養価の高いペレットを使用しています。またエサを与えるときは、食いつきを見ながら量を調節。食べ残して海を汚さないように、環境にも配慮しています。